お隣のトーゴさん

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 帰宅時にいつも寄るコンビニに入り、適当に弁当を選んでいく。ついでに、小腹が空いた時用のツマミやらもカゴに入れ、店内をふらふらと彷徨っていく。 「なんか、今朝はやけに人が居ないな」  いつもなら出勤やら通学途中の会社員や学生が居るコンビニなのだが、今朝はその姿がめっきり少ない。ここに来るまでの道中も、妙に人が少なかったような気がする。昼夜逆転でシフト制の仕事をしている生活のせいか、曜日感覚は曖昧になりがちだ。だから、今日が日曜日だと言われても、そう驚きはしない。けど、それでも人が少ないような気がする。  いつもと違う空気を感じながら、取り敢えずレジに商品を持って行くが、ここもいつもと様子が違った。  客である俺が商品を置き立っているにも関わらず、店員はレジの前にこようとしない。レジカウンターの奥の壁に寄り掛かり、ジッと携帯を見ている。携帯からは人の声が聞こえてくるから、動画でも観ているのだろう。しかし、客を前にし堂々とサボりとは良い根性だ。別に怒ってはいないが、早く帰りたかった俺は目の前に居る店員に向け大声で怒鳴り付けた。その怒声に驚いたのか、店員は大袈裟なほどに身体を跳ねらせ、持っていた携帯さえも落としそうになっていた。  店員は慌ててレジに立つが、それでも心ここにあらずな状態で傍らに置いている携帯を気にしている。動画が再生されたままなのか、小さな声が聞こえてくる。 『現在、……認飛行物体が……に滞空…………す。そこから、宇宙………………降り立ったとの報告も……ています。皆さん、……接触しないよう、…………してください』  どうやらニュース番組のようだが、内容は上手く聞き取れなかった。緊迫した感じから海外でテロでもあったのかな? なんて気楽に考えコンビニを出たが、その考えは住んでいるアパートを目前にした時、打ち砕かれた。
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