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「……はぁ。……ス、スゴイ。スゴく、熱いデス。トーゴさんのナカ……」
じわじわとだったが力強く奥まで辿り着いたミルトが、初めての男のカラダに興奮した様子で声をあげる。その興奮した面持ちに、なぜだがこっちまで気持ちが昂り、ついケツに力が入ってしまった。
「ひゃっ」
突然の締め付けにミルトが可愛い悲鳴をあげる。すっかり聞き慣れたその悲鳴が、なんだか心地よく胸に届く。俺は笑いながら「わりぃ」とケツの力を抜いた。
「それじゃあ、ゆっくりと腰を動かすんだ。取り敢えず、初めてなんだから自分が気持ち良くなることだけ考えて動いてみろ」
相手を気持ち良くさせたいという思いがあっても、おそらく今のミルトでは無理なことだろう。下手に相手のことを労って動けと指示してしまえば、重圧を感じ自分を追い込んでしまうだろう。そうなれば、お互いに苦痛だけが残るセックスになってしまう。先ずは、誰よりも性経験が遅く自己不信に陥っているミルトに、性に対する自信を持たせるのが先決だ。そう考え、多少自分に苦痛がかかっても、ミルトに合わせることにした。
「ぁあ……、トーゴ……さん。大丈夫……ですカ?」
案の定、ミルトの動きは力が入りぎこちないものだった。ぐいっと内側を力強く擦り、力任せに打ち付け、俺のことを気にしながらもそれを行動に移せない状態だ。もちろん、それは俺にとって痛みを伴った行為で、気持ちいいと感じるには遠いもの……のはずだった。
しかし、不思議と俺は、この行為を心地よく感じていた。俺よりもずっと小さく、細い身体で必死に腰を動かす健気な姿。それが視界に映るたび、胸の奥に何とも言えない感情が湧き出てくる。最初に抱いたガキが好きな子に意地悪したくなる初々しい恋心のような気持ちが薄れ、純粋にミルトを優しく包んでやりたいという愛情に近いものが溢れてくる。これが恋愛的な愛情なのか、子供の成長を見守りたいという母性愛的なものなのか判断つかない。だが、今はこの時間を大切にし、全身でミルトを感じていたかった。
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