お隣のトーゴさん

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「……あの、もう一回、いいですカ?」 「あと、もう一回」 「トーゴさん。ボク、もっとシたいデス」  ミルトの華奢な身体に油断していた。どんなに子供っぽくてドジでも、こいつは脚力だけで三階まで軽く跳んでしまう宇宙人の仲間なんだ。そして、時々薄れるが、いつまでに経っても完全に消えることのない隣室からの声で、もっと早くに気づくべきだった。  ――こいつら宇宙人の体力が地球人の比ではないことをっ!  ミルトの体力や精力は衰えることを知らなかった。打ち付けてくる腰の力も弱まることなく、何度射精をしてもその量と勢いも衰えない。それでいて、行為の後もケロッとしている。体力もだが、こいつらには賢者タイムすらない雰囲気だ。  回数を重ね、多少なり余裕が出始めたのか、ミルトは腰の動きだけでなく、指先を肌に添わせるなど別の部分にも意識を向けるようになっていた。それらは俺に心地よさとは違う快楽を与えてくれた。だが、それ以上に疲労が溜まってきていた。十代や二十代なら、まだ耐えられたかもしれないが、生憎と俺は三十路なんだ! いくら日頃から身体を鍛えていても、この異常すぎる体力にはついていけなかった。 「……な、なあ、ミルト。そろそろ休憩にしないか?」  さすがに体力の限界を感じ、休戦を申し出る。すると、何度目か分からない射精の後にも関わらず元気なミルトが、少し物足りなさそうに離れていった。  ヒンヤリとした身体が完全に離れ、冷やされることのなくなった身体に、熱が一気に籠っていく。それが疲労感を促進させ、ぐったりとベッドに倒れ込んでしまう。  その際に手に触れた携帯を取り見ると、時刻は夜の七時過ぎを表示していた。たしか、起きたのが二時ぐらいだったから、大体五時間近くヤってたことになるのか。はぁ、五時間もヤりまくっていたのか……。そりゃ、疲労困憊にもなるよな。しかも、メシも食ってないから腹も減っている。けど、疲労や空腹もあるけど、先ずは汗やら何やらでベタベタする身体をスッキリさせないとな。
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