お隣のトーゴさん

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 年の頃は十四、五歳くらい。まだ成長途中といった感じで、未成熟な細い身体でなんともか弱そうだ。だが、少年が身に纏っている服は、この場に散らばる宇宙人たちと同じで独特の光沢あるつなぎだ。そして、幼いながら異常なほど顔立ちが整っている。明らかにあのUFOから舞い降りた宇宙人の仲間だな。 「おい、大丈夫か?」  さっき人間離れした姿を目にしたのに、一方では通行人とぶつかって尻餅をついてしまう宇宙人。しかも、宇宙人と言ってもテレビで観るような頭でっかちの奇妙な姿ではない。それに、この少年には妙な親近感が湧いてしまう。そのせいか、俺は躊躇いもなく少年宇宙人に手を差し伸べていた。 「あ、ありがとうございマス」 「えっ!? 日本語っ?」  返ってきた言葉にギョッとしてしまい、躊躇いなく差し伸べたはずの手を思わず引いてしまった。素直に手を取ろうとしていた少年宇宙人の手が虚しく宙を掴んでいた。 「あぁ、わりぃ」  慌てて手を戻すと、少年宇宙人は少しはにかみながら手を伸ばしてきた。少年宇宙人の手は若々しい柔らかさで、爬虫類の肌のようにヒンヤリとして冷たかった。 「ごめんなサイ。ぶっかっちゃっテ……」  手を引っ張り立ち上がらせるなり、たどたどしさの残る日本語で謝ってきた。 「いや、俺の方こそ悪かったな。ボケッと突っ立てたから」  そう言うと、少年宇宙人は可愛らしくふるふると頭を振る。俺は男が好きだが、少年趣味はない。だけど、この少年宇宙人の仕草は俺の中の何かを擽ってしまう。それが、つい態度に出てしまっていた。 「わわっ」  気がつけば、少年宇宙人の頭をグリグリと撫で回していた。少年宇宙人は「わわっ」と声を漏らしているが、嫌がる素振りも逃げ出す素振りも見せない。そんなもんだから、つい手に力が入ってしまう。すると、さすがに痛かったのか「痛いですヨォ」と、訴えてきた。
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