例えばあの時の出逢いが

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『あ、いや……』 北島の不思議そうな表情に、発言を撤回しようとするが、意外なことに北島は笑った。 『ははは!木本さんが新しい人間だから私と一緒に居るのは面白くないかい?』 図星を突かれて、どう答えていいか分からず、朝比奈は黙り込んだ。 『どうやら君たちは新旧で対立しているみたいだものね。私からしたら、つまらないプライドなんか捨てて、一刻も早く、仕事とお客様に向き合って欲しいものだけどね。』 北島のいうことは尤もだった。恥ずかしさもあって益々小さくなる。 しかしーー。 『……でも、僕にはどうしようもないことです。』 これが本音だ。別に自分だって今の現状が良いとは思っていない。 でも変えられる力なんかないし、長いものに巻かれるのが、この島国では賢い生き方なのだ。 『うん、まぁ、そうかもしれないね。でも老婆心から一つ忠告しておこう。』 レジェンドはそう言いながら、人差し指を立てた。 『彼を侮らない方が良い。』 それから、意味ありげな目配せをしながら。 『あとこれは個人的な見解だけど。君は、彼を避けない方が良いと思うよ。』 意味深な助言を放った。
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