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北島とのやりとりを境に、朝比奈はただのおじさん改め、謎のおじさん木本が何者なのかを探ることにした。
レジェンドの有無を言わせない圧力もあり、露骨に避けるのも止めようと心に決めた。
しかしーー。
木本とはそもそも違う立場、違う仕事。鉢合わせること自体が珍しいのだ。
意識し始めた所で、そう都合よく会えるものでもなかった。
ーーだとすると。
社食に誘われた時は偶然でも何でもなく、意図的に、木本は朝比奈目掛けてやってきたのだ。
一体何の理由があって?
今となっては分からないが、聞いておけば良かったと軽く後悔する。
『朝比奈、聞いてるか?』
名前を突然呼ばれてハッと顔を上げると、先輩である瀬能が少し苛立ったようにこちらを見ていた。
『あ、はい!すみません。』
『頼むよ、大事な所なんだから。』
大きなイベントの為にミーティングが開かれていて、今日は取引先と擦り合わせた結果が、梟王関係者に共有されている所だった。
『ビルジョイエ側からの要望で、会場はこのように設置して欲しいとのことでした。』
指示も細部まで画像付きで説明され、力の入り具合が伝わってくる。
瀬能が何度も取引先と話し合いを重ね、実現した催事だった。
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