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あの日、あの時、どんな笑顔でどんな言葉で話せば良かったのか、未だに僕は解っていない。
笑う事が苦手だった僕に、君は教えてくれた。
「一緒に過ごしていくうちに、きっと苦手なんかじゃなくなるよ 」 と。
あの時の君の無邪気な笑顔、僕は忘れていないよ。 優しく笑ったあの顔も、悲しそうなあの顔も、僕は覚えている。
それは君が好きだったから。
誰からも好かれる君に、目を奪われていたんだ。
僕はその気持ちを伝えた。
君は最初、困っていた。
僕は焦った。
すると急に君が泣き出して、僕にこう言ってくれたんだよね。
「ありがとう」って。
君は僕の手を取り、走り出した。
連れて行ってくれた場所は、鮮やかな花の咲く場所だった。
そうして、君は僕の手を離し振り返りこう言った。
「あなたがそう言ってくれるの、待ってたの」
僕は嬉しくなって、涙を溜めながら君を抱きしめた。
包み込むように、優しく。
その日から何度もすれ違ったりデートに行ったり、手を繋いでみたり…色々な体験ををしてきたね。
結婚の約束もしたんだよね。
綺麗で沢山の人を呼べる場 所にしようって、言ってたっけ?
僕は少し苦手だけど、君のためなら…って言ったよね。
沢山の時を重ねながら、僕はやっと自然に笑えるようになったんだ。
君は喜んで抱きついてくれたよね。
「もう一回、もう一回」って嬉しそうに跳ねながら。
可愛かった、本当に大好きだよ。
永遠に、離れないで一緒に居られる。
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