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猫
朝、起きると雨が降っていた。
それもどしゃ降りの大雨だ。
俺は朝刊を受け取るために傘を指し、家の外へと出た。
玄関の戸を開けると真っ先にずぶ濡れの猫の姿が目に飛び込んできた。
それは真っ黒い猫だった。
そのずぶ濡れの真っ黒い猫は俺と視線が合わさるとニヤリと笑って『おはようございます。要さん』なんて言ってきた。
俺はそれに大きな溜め息を吐き出してそのずぶ濡れの真っ黒い猫を無言で手招いた。
俺の手招きにそのずぶ濡れの真っ黒い猫はニヤニヤしながら俺に近寄ってきて俺の前まで来るとクスクスと不気味に笑いだした。
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