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「軽く? じゃあ俺の首筋から垂れてきてるこの赤いの・・・なんですか?」
雛人は声を潜めてそう言うと首筋を拭い、赤く染まった細い指先をチロリと舐めて俺の下で妖しく笑んでいた。
蛇・・・。
雛人のそのゆるりとした動作は俺に蛇を連想させた。
「ホント・・・ひどいことします・・・ねっ!」
「っ!?」
ぐるりと俺の視点が反転した。
その出来事に俺は一瞬、何が起こったのかわからなかった。
本当にそれは一瞬の出来事だった。
ガリリッ・・・。
「んっ! オイッ!!」
俺は首筋に噛み付いてきている雛人を強引に引き剥がし、間髪入れずに雛人を睨め付けた。
俺に睨め付けられた雛人は感情の読み取れない薄い笑みを浮かべていた。
本当にコイツは・・・ヤバい。
「仕返しです」
雛人はクスクスと笑いながらそう言うと噛んだ俺の首筋を優しく舐めあげた。
仕返し?
俺よりよっぽど強く噛みやがったクセに・・・。
俺は全身の力を抜き、雛人にされるがままとなっていた。
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