猫を知る

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猫を知る

気づけばいつの間に昼前だ。 俺は朝刊を閉じ、一人騒がしく語り続けているテレビを消して俺の自室へと向かった。 俺はそっとドアを開け、こそこそと中の様子を窺った。 まるで泥棒だな・・・。 そんなことを思うと苦い笑みが溢れ出た。 朝、起きてすぐに開けたはずの遮光カーテンは閉められ、部屋の中はぼんやりと薄暗く、つけた覚えのないエアコンはガンガンに俺の部屋を冷やしていた。 全く・・・好き勝手やってくれたな・・・。 俺は心の内でそう呟き、小さな溜め息を吐き出してよく冷えている・・・と言うよりは肌寒いほどのその部屋に入り込み、布団にくるまっている雛人を覗き見た。 「・・・雛人? 本当に寝てんのか?」 俺のその問いかけに雛人からの返答はなかった。 雛人は規則正しい穏やかな寝息を立てながら気持ちよさそうに眠っていた。 眠る雛人のその寝顔を俺は綺麗だと思った。 本当にコイツが女なら・・・。 そんなことを俺はふと思った。
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