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「雛人くん・・・」
そう言った友利の声は小さくて掠れていて震えていた。
動揺してるな。
まあ・・・無理もないか・・・。
俺は咲良にも友利にもバレないように小さな溜め息を吐き出した。
「・・・おい。雛人。起きろ」
俺がそう言うと雛人は僅かに身動いだ。
しかし、まだ雛人は起きる気配がなかった。
「雛人くん・・・」
そう言ったのは友利だった。
友利は震えながらベッド横に立ち雛人の名前を口にした。
それに雛人は反応を示した。
流石は恋人同士と言ったところか・・・。
「友利・・・先輩?」
そう声を発した雛人の声はなかなかに可愛らしかった。
俺はそんな雛人から目をそらし、咲良へと目を向けた。
咲良も友利と同じように震えていた。
まさか今日、来るとは・・・。
俺はそう心の内で呟いて心の内で大きな溜め息を吐き出した。
とんだ誤算だった。
まさかこんなことになるとは・・・。
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