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「おはようございます。友利先輩。あれ? 何で友利先輩と咲良が?」
雛人はそんなことを呑気に誰かに訊ねつつ細い身体を伸ばし、フーッと溜め息を吐き出した。
溜め息を吐きたいのはこっちだっての・・・。
俺はその言葉を呑み込んだ。
「何ではこっちの台詞なんだけれど?」
そう言ったのは咲良だった。
咲良のその口調には明らかな怒りが含まれていた。
流石に咲良もキレるか・・・。
俺はそう心の内で呟いて目を閉じた。
恋人に会いに来たら自分の友人が自分の恋人とベッドで寝ていたら誰だって動揺するだろうし、キレもするだろう。
ましてや片方は上半身だけとは言え、裸・・・。
変な想像をするのは当たり前だ。
むしろ、しないヤツの方がどうかしているぐらいのことだろうと俺は思う・・・。
俺は閉ざしていた目を開き、咲良の様子をチラチラと横目で盗み見た。
可愛いヤツ・・・。
俺はそう心の内で呟いき、誰にもバレないように微笑んだ。
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