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「あ~・・・何も変なことはしてないですよ?」
雛人はそう言ってヘラッと笑った。
コイツ・・・本当に性格、悪いな・・・。
俺はそう心の内で呟いて友利へと目を向けた。
友利は雛人のその言葉に少しだけ安心した様子だった。
しかし、友利のその安心も束の間のもののようだった。
「・・・何? この痕・・・」
友利はベッド上に座っている俺を跨ぎ、同じくベッド上に座っている雛人の首筋に触れ、そう雛人に詰め寄った。
俺はそれを少しだけ煩わしく思った。
俺を挟まないでくれ・・・と。
友利の指先が触れている雛人のその首筋のそこには俺が付けたキスマーク・・・と言うよりは噛み痕が生々しく残っていた。
「要さん・・・」
そう俺を呼んだ咲良のその声は友利と同様、震えていた。
「要さんの首筋のその痕も・・・何ですか?」
しまった・・・。
そう俺が思うと同時に友利が凄い形相で俺を振り返り見てきてガクリと項垂れた。
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