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「俺に・・・何か不満でもあった?」
俺はそんな意地悪の悪い質問を咲良に投げ掛けた。
それに咲良は大きく目を見開いた。
わかっている。
咲良が俺に不満があってそんなことをしたわけじゃないってことくらい。
なのに俺はそんな意地の悪い質問を咲良に投げ掛けた。
それはなぜか・・・。
それは咲良の困り顔が見たいがために。
それは咲良の慌てる姿が見たいがために。
何よりも咲良に求められたいがために・・・。
全く・・・独占欲とは傲慢なモノだ。
「なっ!? 不満なんてあるわけないでしょう!?」
咲良は掴み掛かってくる勢いでそう言って語気を僅かに荒らげた。
俺はそれに笑んでしまいそうになっていた。
咲良は本当に可愛い・・・。
可愛いからこそ俺は咲良をいじめたくなる。
そんな俺はガキなのかもしれない・・・。
「じゃあ・・・どんな考えがあったわけ?」
俺はまた、いつの間にかそんな意地の悪い問いを咲良に投げ掛けていた。
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