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「・・・はぁ~・・・。もう、いい」
俺はそう言って咲良から離れようとした。
が、咲良はそれを許さなかった。
「ちゃんと・・・ちゃんと答えてください! 俺もちゃんと答えたんですから!」
そう言って俺を真っ直ぐに見つめ、俺の腕を掴んだ咲良の目は真剣そのものだった。
「・・・たったそれだけのことで痕を付けられたから俺は怒ってるんだよ」
俺のその言葉に咲良は眉間にシワを寄せ、僅かに目を細めて俺を見つめ見た。
まるで俺を睨むかのように・・・。
飼い犬がご主人様を睨むなんてことはあっちゃいけないはずだ。
これは・・・再教育(再調教)が必要か?
「それは・・・それは俺が先に田代先輩に痕を付けたから ・・・ だから・・・だから俺は仕方なく・・・」
へぇ~?
睨むように見てきたかと思うと今度は俺(ご主人様)に向かって吠え掛かってくるか・・・。
これは・・・本当に再教育(再調教)が必要のようだ・・・。
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