115人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きで悠長にしてるんじゃないです。本当はすぐにでも友利先輩を抱きたいです。メチャクチャに・・・」
雛人は淡々とそう言うと俺の膝の上にゴロリと横になり、またクスクスと笑った。
本当にコイツは猫みてぇなヤツだな・・・。
細く、しなやかな身体に気儘なその性格はまさに猫だ。
『雛人は動物に例えるなら猫ですよね』
いつか咲良が言っていた。
俺もそうだと思い、頷いた。
『けど・・・雛人は・・・』
咲良はそこまで言葉を発すると口を閉ざした。
『けど・・・雛人は・・・』なんだ?
咲良は何を言いたかったんだ?
その時は気にも止めなかった咲良の言葉の続きが気になる・・・。
『けど・・・雛人は・・・』
「無理矢理に抱いてもいいんですよ。好きじゃないなら。・・・欲を吐き出すためだけに抱くなら無理矢理でいい。けど、友利先輩はそうはいかない」
雛人は俺の膝上でそう言うとスッと俺に手を伸ばし、その手で俺の頬を優しく撫でてきた。
最初のコメントを投稿しよう!