猫のような蛇のような狼のような

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「要さんなら俺のこの気持ち・・・わかるでしょう?」 気持ち・・・ね。 「・・・わからなくもない」 俺はそう答えて雛人の手を払い、浅い溜め息を吐き出した。 好き故に強引になることもあれば好き故に奥手になることもある。 そのことは俺も身を持って理解している。 「あ~・・・友利先輩~・・・抱きたい~・・・」 雛人はそう言うと俺に抱きついてきて『あ~・・・あ~・・・』と声を漏らし、悶えていた。 コイツ・・・重症だな。 俺はそんな雛人の細い背中を撫でつつ目を閉じた。 咲良・・・今、何してるかな? そんなことをふと思った。 絵を描いてる? それとも寝てる? それとも俺を思ってる? それとも俺以外の誰かを・・・。 ムクムクと黒い感情が沸き上がって来るのを感じた俺は深く息を吸い込んだ。 咲良は俺のだ。 咲良は誰にも渡さないし、咲良は俺以外の誰かのところに行くようなヤツでもない。 わかっている。 なのに・・・。
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