海の街へ
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その人は、また歌いだした。 豊かな旋律が俺の足をまた海の中へといざなう。 すうっと気持ちが和らいでゆく。 ーあぁ…なんて気持ちいい声なんだ。 遠くから、猫が喉を鳴らすような音が聞こえてきた。 少しずつ、辺りが影をまとってゆく。 ーあれ…今俺、何を考えていたんだっけ… まぁいいや、今はこんなにいい気分なんだしー
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