海の街へ

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「いや、お前さんだけやったと思うぞ。ほかにも同じような奴、おってたまるか。」 「いや、ほんとにいたんです!曽根崎さんに呼ばれるまで、俺、その人と喋っててー」 怪訝な顔をした曽根崎さんに俺はことのあらましを説明した。 全て聞き終えて、曽根崎さんは俯き、神妙な顔で考え込んでいた。 「まさかーまたそんなことが…  いや、しかし…」 「何か知ってるんですか?」 顔を上げた曽根崎さんは、明らかに困惑している様子だった。 「もしかしたらだけどな、坊主。  お前さんがあったのは、人魚かもしれんぞ。」 ーは? 思わず喉元までで出かかった言葉を飲み込み、代わりに「どういうことですか?」とかえした。
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