お仕事

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  実際、あたしが死ぬまでの3年間でそこそこいい修業?に、   なったらしくて、大佐や仲間達には、   ー性格や遣ることなんでも、細やかな注意が出来るようになった。ー   と、褒められた。   「 おや? また、雪がちらついてきたね? 」   ぐるりとガラス張りの外に顔を向ける。   直ぐにまたあたしに目を戻すと、   「 あぁ、立たせたままで、済まなかったね?   そちらに掛けてなさい。ダージリンティでいいかな? 」   社長も立っていたけど、あたしにデラックスなイスを奨め、   自分はお茶を煎れた。   「 えっ? 社長がお茶煎れてくれるの? 」   すると、このおじさんはキョトンとした顔を見せる。   「 ? おかしいかね? 」   「 いや……ウチみたいな小さい会社ならまだしもさ?   こんな大会社の社長さんがさ、あたしのようなもんにさ? 」   彼はトレイ事お茶を持って来て、お給仕をしてくれた。   「 自分に対して、そういう物言いは止めなさい。   自分を小さくしてしまうから。それに……、   このスウィートは、わたしと君と船長とか、限定した人しか入室させてないからね。   娘の遺影があるだけに、ここはわたしの娘の部屋だから。」      その辺の心情は理解できる。   あたし達は紅茶を飲みながら、それから込み入った話しにはいった。   「 監視カメラの多さに驚いただろう? 」   「 今時それ程でもないな。大佐からも話し聞いてるし。」   「 そうか。( ふー、とため息 ) 3、4日のツアーの時だったんだけどね? 」   「 ジャパニーズマフィアの取り引きだったとか? 」   「 10名様の同郷会の申し込みだった。」   「 だからといって、わざわざあたしらのようなプロになんてね?   あたし、武器持たされてないんだけど? 」   「 当ー然だ。海軍じゃない、船舶に銃刀類持ち込み厳禁だ! 」   あたしは、イスにもたれ両手を頭の後ろで組んで、間延びしながら続ける。   今から思うに、あたしもねー、この態度はないでしょ?   と、分かる。   「 もしもの空想するなら? この船を制圧するなら? 」
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