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しばらくその占い師を気になって、見ていたら、向こうから声を掛けてきた。
「 悩み事でも、あるの? まだ、仕事中なのね?
終わったら、いらっしやいな。」
おっとりとした声で、最後に、うふっ。と、笑った。
シフトあがりに、更衣室で先輩さん方に聞いてみると、
「 当たるわよー、あの人。セリナ=星崎さん。
なんかの雑誌にコーナー持っているってさ。」
ベンチに腰掛け、キャミソールと、パンツだけのあたしは、
Tシャツ広げた。
「 なーんで、占い師ってあーいうド派手なカッコすんのかしらね? 」
先輩さんはAikoという。どんな漢字かは知らない。
「 役者さんの舞台衣裳と同じよ。」
と、彼女はGスカ穿きながら教えてくれた。
「 なるほど。」
すると、別の先輩さんKanaさんは眉をひそめる。
「 あたしは、あの人怖い。霊媒もやるから、いきなり
ーおじいさんかしら?心配そうにあなたを見てるわよ。ー
とか言い出すんだもの。」
「 うわ、近寄らないほうがいいな? 」
どうやら、あたしの警戒すべきの不審者ではないようだ。
大佐のメールの情報から察するに、
もっと普通の人のはずだ。
ド派手な格好やパフォーマンスで注意を引くのはアホだ。
落ち着きなく、周りを注意して目つきがキョロキョロしてるヤツ。
ーて、あたしじゃない!ーあたしが不審者じゃん!
でも、霊媒?やっぱり怪しくない?
大佐の指令ーXを探せ。Χは催眠術を使う可能性あり。
しかし、怪しいヤツは他にもいた。そいつは、今ラウンジにいる。
先輩二人に誘われての女子会とやらで、ラウンジでだべくってると。
そいつは、劇場で行うショーの宣伝の為のパフォーマンスをしている。
二つ向こうのテーブルで簡単なカードマジックを披露している。
マジシャンなら、催眠術使えるヤツも居るはずだ。
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