お仕事

8/19
前へ
/72ページ
次へ
  大体、大佐、情報少な過ぎよ。人相、風体とか掴んでよ。      「 …… せっかく船で海外に出てるのにさ?   仕事の休みとどっかの港に寄港するのと、重ならなきゃ降りれないでしょう?   わたし今までで、海外に降りたの、香港だけよ? 」   と、キール ( カクテルー美味しかった~。(^▽^)作者より ) を飲みながら、   Kanaさんが、ぶつくさ言う。   「 お休み取ったら? 」   と、ジンライム飲みながら提案したけど、   「 なーに言ってんのよ。皆休みにするわよ。スタッフ7割休んじゃうわよ。」   と、あっさり蹴られた。   「 だよね~、運任せ~。」   と、Aikoさん。二人ともあたしより二つ年上らしい。   キャリアは、二人とも2年になると話していた。   「 ウラジオは明日の午後に入るんでしょ?   シュンエイ、遊んで来るって言ってた。今年船に乗って直ぐよ。   持ってるわね。シュンエイ、26て言ってるけど、まだ上じゃない?   おまけに医療センターの阿部センセと仲良さげ。」   と、二人の先輩さんはくだらないおしゃべりに夢中になっている。      あたしは船の人間関係は分からないから、混ざれない。   黙ってジンライムを飲んでいる。   でもね、くだらなくても、スタッフの情報源だ。   スタッフに紛れ込んでるのは確からしいから。   大佐は問題の人物とウラジオストクから、乗船する事になっている。   今回の仕事はダブっているわけ。   保安員の仕事とマルタイの警護を申し使ったのだ。   「 ああ、そういえばさ? ジョアン、由加スウィートの担当なんでしょ? 」   「 うん。」      二人はクスクス笑い、好奇の目つきであたしを見る。      「 出た? 」   「 何が? 」   「 由加さんのお化け。」   「 OBAKE?…… sorry. その日本語分からない。」   「 ゴーストよ、ゴースト。」   「 goーst? 」   ああ! ghost ね? 発音悪。   この時、あたしはブルーマーメイド号の都市伝説を知った。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加