ガーデン・ピスト

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    あたしは、ジョアン=イーストン 22歳。   簡単に自己紹介するね。      アメリカ生まれ、アメリカ育ちの多分日系何世か。   戸籍じゃ、おばあちゃんが日本人だったらしい。詳しい事は分からない。   理由は両親とっくにいないから。   銃社会の犠牲者だったらしいのは、ハイスクールの頃知った。   まぁ、顔も覚えていないぐらいだから?   でも、やっぱり知っちゃたら?   そこで、あたしの人生は変わってしまった。   それと言うのは……。あたしの勤める会社がね?       ……今日は、あたしが勤める会社のオフィスに呼び出された。   そこは、ロスの立派なビル……ではなくて郊外の半田舎の個人宅。   ガーデン・ピストって言うカフェ。   奥さんがカフェやっている。   なんでも、社長の友人だか? 親戚だかの? 所有していたセカンドハウスを?   買い取ってリフォームして、自宅兼会社事務所兼カフェになっている。   大きな木がある緑いっぱい、花いっぱいの古い木造のガーデンカフェだ。   だから、会社に呼び出されても殆どカフェで応対になる。   土煙りを巻き起こしながら、中古のパジェロミニで駆けつけた時も、   社長 アール・ピスト はカフェで待っててくれた。   このおじさんは明るい白髪混じりの茶髪で、鼻のチョビ髭と凄いモミあげに、   何時もかけているサングラスが特徴の、元USアーミーの退役した大佐さん。   こーれだけで、普通の会社じゃないって、わかるわよね?   性格はめっちゃ明るい。   コーヒーとモンブランで持て成してくれたのは、い~んだけどさ?   仕事の内容が、訳分からないものだった。
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