上司の秘密

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「素直だな」 と亮太は椅子にふんぞり返ったあとで、 「俺は後ろに目があるんだ」 と言いながら、勝手に、那智のアイスティーを飲む。  あっ、こらっ、と取り返そうとしたときには、半分飲まれていた。 「ともかく、専務はやめとけ。  お前、泣くことになるぞ」  やけにきっぱりとした口調に、つい、 「なんでよ」 とまた言ってしまう。 「あの人、梨花さんを好きなようには見えないのに、結婚しようとしてるからだ。  なんだかわからないが、強い意志があるんだろ」  意外なその答えに、 「……わかってる」 と呟く。
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