夕日と共に、生命は満ちる。

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 生命は、今から活発に行動を始める。  散歩を楽しむ者や、家族のだんらんに、かつての地球の宝物の調査等、人それぞれだ。  月を眺める男女は、スーツを脱ぎ捨て裸足で寄り、抱きしめ合う。  唇を重ねては微笑みあう。自然と高まっていく愛情。  太陽の光があまりにも激しく、日中は海の中に建てられた施設で空気を大切にして過ごすようになったこの時代。  太陽が沈むころ、施設の脱衣所は希望と共に地上へ向かうためのスーツに着替える。  今宵も待ちこがれた星空の下。  海鳥は、星空へと羽ばたき、人々は裸足で大地で歓びを味わい愛に溺れる。  太陽が昇ろうとする、そのときまで――。
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