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暗闇
午後8時、帰宅を急ぐ駅前の人混みの中、
赤いポストの前に、
一人の少女が、
時計の針を気にしながら佇んでいた。
「 おまたせ 」
「 千春ちゃん? だね。 」
「 あっ、はい。 」
「 薄いピンクのコートに、 白いマフラー
人ごみの中でも見つけやすかったよ。 」
「 想像以上に可愛いね。 ビックリしたよ。
タイプじゃなかったら、このまま逃げようと思ってた。」
「 取り合えず歩こうか。 」
「 うん。 」
白い息が漂う中、1組の男女が繁華街へと足を進める・・・
「 お腹空いてない? 何か食べてからにしようか?」
「 あれっ? 」
「 手震えてるよ。 」
男は少女の手を、そっと掴んだ。
あまりにも自然に握りしめられた指先に、
少女は抵抗できなかった。
「 わぁっ。冷たい!」
「 ごめん、だいぶ待たせたかな? 寒いの? 」
「 もしかして・・・ 」
「 こういうの、初めてじゃないよね。 」
「 あっ、あの・・・ 」
「 早く済ませて、帰りたい・・・・・・。」
「 おおっ!いいね。 そのノリ、嫌いじゃない。 」
「 純な顔して、スイッチ入ったのかな? 」
「 ヨシ!たっぷり、楽しませてあげる。 」
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