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足音が鳴り響く。
線路の下に作られた通路の階段を淡々と登る。
閉ざされた空間の中で空虚かつ重々しく反響する音は、嫌いな朝を更に嫌いにさせる。
やっとの思いで足を乗せたコンクリートのホームには案内アナウンスの声が機械的に流れている。
聞き慣れた音だが、耳に針を刺しているようで苦手だ。
痛い。
耳の奥の神経を直接細い針に引っ掛けて思いっ切り引っ張っているような。
要はそれくらい、不愉快なのだ。
01:アナウンスと耳鳴り
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