偽装の心理 1

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その部屋は5平米に満たないほどの こじんまりとしたワンルームだった。 家具は事務机と椅子、それにたたまれた布団が一組。 そして雑誌や本が所狭しと有床に散らばっている状態だ。 衣類や雑多なものは、狭いクローゼットに押し込まれていた。 数人の鑑識官たちが、いたるところで指紋採取や検分を行っている。 部屋の様子を巡らしていた鳴海の目は、事務机に止まった。 机の上には、ペンやインク、羽ぼうき、 鉛筆が何本も散らばっていた。 それに漫画のような絵の描かれたB4サイズの厚手の紙が、 うずたかく積まれている。
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