134人が本棚に入れています
本棚に追加
「もし自殺ならば、刃物の柄をしっかりと握っているはずなんです。
何しろ自分の胸を刺すんですからね。
それも自殺にありがちな、ためらい傷も無しに、
何の迷いも無く一突きですよ。
それにしては、指紋がはっきりと出て無いんです。
つまり、握力が伴ともなっていないんです」
長谷川鑑識官は、ため息混じりに言った。
「つまり、こういうことか?
自分で自分を刺したのだとしたら、
刃物の柄をしっかりと握っていないと
おかしいということだな?」
最初のコメントを投稿しよう!