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長谷川鑑識官は無言でうなづいた。
鳴海は無精ひげを撫でながら、現場を見渡して言った。
「遺書はあったのか?」
「それもありません。今のところは・・・」
「わかった。とにかく、拾えるものは
何でも拾っておいてくれ」
「当たり前ですよ。我々を何だと思ってるんです?」
長谷川鑑識官は苦笑を浮かべた。
後は鑑識に任せて、鳴海は部屋を出た。
共有廊下には横殴りの雪が舞っていた。猛烈に寒かった。
鳴海徹也は両手を口に当てて、擦り合わせた。
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