偽装の心理 1

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長谷川鑑識官は無言でうなづいた。 鳴海は無精ひげを撫でながら、現場を見渡して言った。 「遺書はあったのか?」 「それもありません。今のところは・・・」 「わかった。とにかく、拾えるものは  何でも拾っておいてくれ」 「当たり前ですよ。我々を何だと思ってるんです?」 長谷川鑑識官は苦笑を浮かべた。 後は鑑識に任せて、鳴海は部屋を出た。 共有廊下には横殴りの雪が舞っていた。猛烈に寒かった。 鳴海徹也は両手を口に当てて、擦り合わせた。
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