成神《るじん》

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「そして年に一度、牽牛星の男に会っていた」 それが毎年の楽しみだったんだ…と寂しそうに呟くシキオリを見て気が付いた。 「シキオリの神になる前ってもしかして、織姫?」 シキオリは、静かに頷いた。 「今から十数年前、牽牛星の男…彦星が命を落とした…生と死の神によって」 「…っ!」 衝撃の告白に顔をしかめた。 しかしそれを見たシキオリが口を開いた。 「お前、何か勘違いをしていないか?彦星は殺されていないぞ」 「え…」 「まぁ同じような事だが」 そう言うとシキオリは上を向いた。 「生を授け直させられたのだ。その後の我と同じようにな」
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