9人が本棚に入れています
本棚に追加
「そして年に一度、牽牛星の男に会っていた」
それが毎年の楽しみだったんだ…と寂しそうに呟くシキオリを見て気が付いた。
「シキオリの神になる前ってもしかして、織姫?」
シキオリは、静かに頷いた。
「今から十数年前、牽牛星の男…彦星が命を落とした…生と死の神によって」
「…っ!」
衝撃の告白に顔をしかめた。
しかしそれを見たシキオリが口を開いた。
「お前、何か勘違いをしていないか?彦星は殺されていないぞ」
「え…」
「まぁ同じような事だが」
そう言うとシキオリは上を向いた。
「生を授け直させられたのだ。その後の我と同じようにな」
最初のコメントを投稿しよう!