成神《るじん》

1/19
前へ
/125ページ
次へ

成神《るじん》

かわり映えのない夜空。 そこに煌めく星々には、ひとつひとつ、神様が宿っているという。 しかし。 神様を見たことのある者などいるはずもなく、それは人々が何かにすがりたくてつくった、単なる『想像』でしかないのだ。 「神様、ねぇ…」 矢風(やかぜ) 郁彦(ふみひこ)は、神様を信じていない。 ――神様?んなもん居るなら俺に特徴のひとつやふたつ、つけてくれたっていいじゃねーかこのヤロウ。 それが俺の思いだった。(まったく、なんて適当な) 7月7日。 言わずとも知れた、今日は七夕である。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加