第1介 宙を舞う

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第1介 宙を舞う

最初は普通自己紹介などから始まるものだろうが… オレは今、宙を舞っている。 走馬灯なんて人生にゆとりのある人にしか見えないと舞いながらそう思った。実際心にも生活にさえ余裕のない人は自分が轢かれたこと一部始終体感するわけです。 自分を轢いた車は止まることなく走り去りオレは喋ることもできず、身体の感覚もなかった。 ツイていないことに見ないフリをする人、写真を撮って過ぎ去る人、他人は所詮他人であり他人対してなにも感じない世の中を恨む時間があった。やっと気を失ったと思い目を覚ました頃には病院のベッドらしき場所に寝かされていた。数週間後転院をしリハビリという名の拷問に耐え結果、晴れて 右脚麻痺 という代償を背負い我が家に帰ってくることができた。バイトはクビ、金もなく、手元には公共料金の束と宅急便の不在票と松葉杖。 ツイてない
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