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「ちょーっと待った!! 飛躍しすぎ! ホップとかステップ飛ばしてジャンプしちゃってるから!!」
思わず立ち止まって振り返った。
「好きになれば将来を考えるのは当たり前だろう」
真顔でそう言ってくるあたり、宗助らしすぎる。
これはまるで……幼稚園生の恋。
「あんたのポンコツっぷりには本当にびっくりする!」
「どこがポンコツだというんだ」
「……もう、いい」
諦めると同時にため息が溢れ、脱力して近くのフェンスにもたれかかった。
すると、宗助が私の目の前に立ち片手を私の顔の横に突き、フェンスを握った。
カシャンとフェンスが揺れる。
「別にお前がまだ俺を好きじゃないなら、それでもいい」
宗助のあまりにも真っすぐな言葉に、心臓がここだ! と言わんばかりに鼓動する。
「絶対に俺を好きにさせてやる」
「なっ……」
今までに見たことのない、キリッとした表情で私を見つめる。その美しすぎる、まるで磨き抜かれたクリスタルの様な透き通る彼に、胸がギュウッと締め付けられ喉の奥が熱くなる。
思い切り罵倒して、その胸を押し返したかった。
でも……。
「ばっかじゃないの……できるわけない……」
弱弱しく、そうつぶやくことしかできなかった。
「……見ていろ」
宗助は不敵な笑みを浮かべると、私から離れて歩き始めた。
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