博士と助手

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「今週のびっくりどっきりメカ!発表!」 博士はそう叫ぶと装着していたベルトを助手に見せた。 ベルトの中央には扇風機の小さいバージョンみたいな羽根が付いていて横にはオルゴールの音を鳴らす時に回す様な小さなクランクが付いていた。 「よく見ておくのじゃ」 博士がクランクを回すと意外と早く羽根が回った。 「どうじゃ」 「思ってたより羽根が早く回ってますね」 「そうじゃろ?つまり、すでに時空が歪んでおるのじゃ」 「なんと!」 くるくるくるくるくるくるくる…。 「あの……博士?」 「なんじゃ?」 「なにも起こりませんけど?」 「わからんのか?」 「わかりません」 「パラレルワールドを移動しておるのじゃ」 「えええ!」 「我々の世界は少しづつ違う並行世界が多重存在しておる」 「なんか、聞いたことあります」 「でも、ちょっとづつ変化しているので、移動してもこんな感じなのじゃ」 「……なるほど」 「どうじゃ?すごいじゃろ?」 「……うーん、歯に絹を着せない様に言うと凄いかどうかわかりづらいですね」 「なに?君は普段、歯に絹を着せているのか?そりゃ歯が寒いからか?」 「そんなわけないでしょう?歯は暖かいですよ」 「……それはそれで気持ち悪いね」 「気持ちいいよ!」 「……うわぁ」 「話を逸らさないで下さい」 「……とういうのは嘘じゃ」 「え?」 「つまり、パラレルワールド転移装置が完成したというのは嘘じゃ」 「……ま、まさか…なんの為に?」 「…それは」 「……それは?」 「さーーぷらーーいず!!!」
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