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話を終わらせてほしいのに、山口先生の口は私の秘密の扉を抉じ開けようとする。
「モデルなんですがね。」
「そんなことどうでもいいですよ。お酒が進んでないですよ。次の飲み物は何にします?」
はぐらかそうとする私を、じっと見つめる山口先生の視線から逃げるようにメニューを顔の前に広げた。
「えー、モデルですか?浅井先生に似た人いましたっけ?」
「見た目は違うけど、よく見るとパーツの配列や輪郭なんかは瓜二つ。
僕には同一人物としか思えない。」
「誰なんですか?焦れったいから教えてください。」
「レイですよ。」
「え?ウソー?全然似てないですよ。」
「女性はメイクでいくらでも化けられるでしょ?」
「そうなの?浅井さん。」
そんなことを聞かれてそうです何て言えない。
黙ってファンから姿を消した私が、今さらレイと名乗れない。どこからバレるかわからないのだから…。
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