第1章

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「レイは私もファンなんです。よーく知ってますけど、浅井先生じゃありません。」 そうそう高橋先生、もっと言ってもっと言って。 高橋先生の意図しない援護射撃に、心の声が漏れそうになるくらい嬉しかった。 「そうですよ、似てるなんて言われたことも無いです。そんなことより次の飲み物を頼みましょう。 店員を呼びますよ。」 「ま、いいです、そう言うことにしておきましょう。」 まだ疑ってそうな山口先生を無視するようにオーダーを始めた。 二杯目はライムサワー。甘くて爽やかで飲みやすいからお酒の苦手な私も飲める。 「山口先生はどこから通ってるんですか?」 「僕は3つ先の駅からです。」 「浅井先生はここでしょ?」 「はい、駅から8分くらい歩いたところです。」 「私は5つ先だから一番遠いですね。」 「あまり遅くならない方がいいですね。」 「先生が送ってくださるなら何時でも構いませんわ。」 「僕一人で家まで送るのは問題だから早めにお開きにしましょうね。」 「あら私はまだ飲み足りませんわ。なんならタクシーで帰るから、今夜は付き合ってくださいよ。」 積極的な高橋先生を応援したい。
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