第1章

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程なく見えてきたマンション 目がいくのは2階のベランダ そこに部屋の灯りが漏れていた。 やっぱり今日来たんだ。 途端にドキドキが始まった。 「いいところに住んでるのね。ここまで来たら、私ならコーヒーでもって上がって貰うんだけどなー。 コーヒー飲みたいな~。」 やっぱりそう来たか… 何となく嫌な予感はあった。 あの殺風景な部屋に二人を通すのは気が引ける。 「え、あの、殺風景で女らしくない部屋だから…」 「僕も浅井さんのコーヒーが飲みたいけれど、急じゃご迷惑ですよ、高橋先生。」 「あ、いや迷惑なんてことは…」 「浅井先生は迷惑ではないみたいですよ。 お邪魔しましょうか?」 別にそんなに汚くしている訳じゃない。必要なものだけの飾り気のない部屋を見てどう思われるのかチョッピリ不安だ。 それに、高村くんが来たらどうしよう…。
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