第1章

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男嫌いに思われてたんだ。 嫌ってる訳じゃない 高村くんを越える人がいなかっただけ 彼を忘れてしまう程私を引き付ける人がいなかった ただそれだけだ。 先程の光景が蘇る きれいな女性を抱き寄せる高村くんと嬉しそうに彼を見上げる女性 胸がズキンと痛み目頭が熱くなってくる。 ダメだ泣いてしまいそう 話題を変えなくちゃ 「高橋先生の部屋は女性らしい部屋なんでしょうね。 想像できます。」 「私の部屋はね、白い家具で統一していて、カーテンは白いフリルをあしらったピンク。猫足のガラスつきの飾り棚にはスワロフスキーのガラス細工のコレクションが並んでいますの。」 「うわー、想像だけで素敵なお部屋だとわかります。」 どこかセレブな臭いのする高橋先生らしい部屋が想像できて、お世辞抜きで素敵なんだろうなって思える。 彼女の部屋に比べて、何て殺風景な色気の無い部屋なんだろうと自分の女子力の無さに嫌気が射す。 高村くんにも呆れられたかもしれないなー、なんて結局考えは高村くんに行き着いて、また悲しくなる。 「僕は女性らしい部屋は落ち着かないですね。」 「私の部屋に来てくださったらきっと好きになりますよ。」
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