第1章

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「浅井先生、浅井センセ?」 「え?」 「やだなー、聞いてました? 懇親会ですよ。今度新人三人で飲みに行こうって、前から話してたでしょ?今度の金曜にしませんか? 山口先生は了解されてます。」 高村くんに会ってからというもの何となく気持ちが落ち着かなくなくて… ふとした時間に彼のことを思い出して上の空になってしまう。 高橋先生に話しかけられたのに気付かなかったみたいだ。 「あ、はい、行きます。どこでします?」 「駅前の居酒屋は?」 「駅前なら帰りやすいし、賛成ですよ。」 「じゃあ金曜の六時で予約入れときますね。 三人での懇親会だから一人でも欠けたら中止って山口先生が言うんです。途中でキャンセルはなしですよ。」 「行きますが、申し訳ないけど9時には帰らせてもらっていいですか?」 「いいですよ。その後は適当にしますから。」 山口先生は企業に就職してからの転職で私たちより3才年上の男の先生。長身で整った顔で女生徒から人気の数学教諭だ。 高橋先生は私と同じ新卒の英語の女の先生。 カールしたブラウンの髪を上手に纏めてメイクもバッチリで女子力は私より上だ。
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