第1章

22/33
前へ
/33ページ
次へ
何だったんだろう? あの二人は私より酒量が多かったから、酔いが回っていたとしか思えない 月曜になったらすっかり忘れているなんてこともあり得ることだ 取り敢えず二人で飲みに行くことになって、高橋先生の望みは叶ったことだし 酔っぱらいに振り回されていたら馬鹿馬鹿しい 気にしないでおこう 同僚を送り出し鍵をかけでベッドに腰を下ろし、ポスターを見る。 素敵な顔で微笑む高村くん その笑顔は万人に向けられたもの 2階から降りてきた美女と高村くん。 彼は今あの女性に微笑んでるのかな この前、彼女はいないと言っていたのに… 会わない間に恋人ができたの? 二人っきりになったのに触れてもこない 私に会いに来るために頑張ったと彼は言ったけど、好きだとは言われなかった。 それはあの女性があのとき既に存在していたから? あれほど素敵な人だもの、いない方が不思議なんだ 喜ぶべきことなのに、その事を考えると胸が苦しくなってしまう。 いろんなことが短時間に起きて、頭が整理できなくて暫くベッドに座ってボンヤリテレビを眺めていた。 もー、考えない 自分では何も解決できないことばかり あれこれ悩んでも何も生まないなら、考えない お風呂に入って寝てしまおう そう思い至り、お風呂にお湯を張りお気に入りの入浴剤を投入し、香りを楽しみながらゆっくり時間をかけて入った。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加