第1章

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なのに高村くんのことが頭から離れない。 胸が締め付けられるように苦しい。 どうしたら、この胸苦しさを止められるのだろう。 時間が治してくれるのだろうか? 二人の思い出の緑のジャージ… 大好きな二人の幸せ色だったのに… 今は悲しみの色に思える。 なかなか眠ることができず、新聞配達のバイクの音を子守唄に朝方の四時頃から記憶が途切れた。 目が覚めたのは、日も高くなった10時過ぎ。 珍しく外は日差しで明るく、梅雨の晴れ間のようだ。 「洗濯しなくちゃ。」 布団から出て、起きたばかりのだるいからだを奮い立たせて洗濯機に向かった。 気持ちはまだ昨夜のまま晴れないけれど、胸の締め付けは治まっていた。 やっぱりここを出ようかな ここにいる限り高村くんのことで悲しくなってしまう 高村くんだって私がいたら、気になって思うように恋が出来ないかもしれない 洗濯が終わったら、不動産やに行くことに決めた。
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