第1章

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「それはレイのファンです。私自身のじゃないからあまり実感がないんです。 それに年を取ればだんだんレイだって劣化します。いつまでも出来る仕事じゃないと思うんです。」 「そうだよ、だから一番綺麗な今出ないなんて勿体ないよね。 夕貴ちゃんは化粧で変わるけど、素っぴんでも十分かわいいよ。肌のキメや透明感、パーツも整ってる。 それだから化粧もきれいに決まるんだよ。他の人に同じメイクをしたって君のようにはなれないんだ。」 「そ、そうですかね?」 店長の話は嬉しいけど、 化粧をしなければホントにどこにでもいそうな平凡な私だ。レイだとバレないし、綺麗だと言われたこと無いし… こんな私が世間に望まれているなんてやっぱり思えない。 「夕貴ちゃんは自分を分かってない。もっと自信を持ってよ。 優人のことだってそうだよ。彼は夕貴ちゃんのことしか考えてないよ。」 何で今高村くん?店長は高村くんと会ってるの? 「どうして店長がわかるんですか?」 「彼はよくここに寄るんだ。その度に夕貴ちゃんのことを話してるよ。今同じマンションに住んでるんだって?」
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