第1章

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「その時の彼の気持ちは分からないけど、俺はずっと君への気持ちを聞かされていたよ。 『夕貴に会いたい』って来る度切なそうにしてた。」 「本当に?」 「嘘ついて何の得があるの?ホントだよ。」 店長が嘘をいってるとは思えないけど、それだけじゃ今でも私が好きという証にはならない。会ってガッカリしたかも知れないし… 女の子と親密にしていたのはこの目で見ている。私たちには約束があるわけでもなく、彼は自由なんだから。 「私に会ってガッカリしたのかもしれないし、今でも思ってくれてるかは分からないです。」 「見かけによらず頑固だね―。彼に直接聞いてみるといいよ。」 「聞けたらスッキリするんでしょうね。マンションを出るのはもう少し考えてからにします。 今不動産屋の帰りなんですけど、なかなか思う物件がないし…。」
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