第1章

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「それがいいよ、早まらないでね。」 「色々教えていただいて、ありがとうございます。 涼しそうなブラウスあります?」 「そっちの方にいいのが入ってるよ、見ていって。」 これから職場で着れそうなラフすぎず固すぎない襟つきのノースリーブを二着買ってCHACHAを後にした。 帰り際、念を押すように 「一度ちゃん優人と話をするんだよ。」 「なるべくそうします。 また来ます。」 「ああ、またね。」 会釈してCHACHAを後にした。 店長の話は全てを鵜呑みにはできない。 高村くんが6年間私のことを忘れずにいてくれたことは嬉しかったけれど、彼の気持ちはわからないままで… 頭に思い浮かぶのは昨夜の二人 高村くんしか見えてない彼女を抱き抱えるように去っていった彼は、こちらの視線を避けているようだった。 そのあと訪ねて来たとき、話を聞いていたら何を聞けたんだろう。 少しの後悔と彼への未練と嫉妬… いろんな感情が入り交じり、モヤモヤした気分はずっと続いていた。
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