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朝日が街をゆっくりと染め上げる頃、僕の1日はスタートする。
まるで運動会のように街を走り回り、笑顔を振りまく。
「おはようございます!」
そう言って僕は相手の挨拶も聞かずに赤やシルバーの各家のポストに新聞を投かんする。
僕の朝は忙しく、空を見ている暇さえ、とてもじゃないがもったいなく感じてしまう。
僕は新聞配達をしながら、医療の勉強をしている。
将来は有名な医者になることが目標だ。
まだ6歳の僕には遠い未来の話だが、勉強はきっちりと進んでいる。
このあとも先生のところで授業があるのだ。
僕はそれが楽しくてしょうがない。
夢に近づいていると思うと、嬉しくて嬉しくて、早く大人になりたいと願ってしまうのだ。
僕の街は戦争をしている。
それはいけないことだと僕も思う。
ただしそのおかげで6歳の僕にも医療の勉強が出来ているのだ。
戦争で医者がどんどん死んでいっている。
いわゆる医者不足なのだ。
僕はそれが嬉しくてしょうがない。
医者が減れば、医者を増やそうと街が僕に勉強させてくれる。
「人は死んじゃえ!医者はもっと死んじゃえ!」
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