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俺は一体、何者なのだろう。
肩書きは普通のそこらへんにいる大学生で、それ以上でも以下でもない。
小説の活字のインクや、絵画の絵の具のように存在を主張出来る訳ではない。それでいいのだと心のどこがで思っている自分が居る。
漫画のモブのようにただそこにあるだけの存在。むしろその立ち位置に居心地の良ささえも感じる。
光を見つけても自ら近づこうとはしない。しかし遠くて光が感じないほどは離れない。近づきすぎて身が焼け焦がれるのが怖いから。遠すぎて身を凍らすのが恐ろしいから。
自分が臆病者なのは自分が1番よく分かっているのだ。
俺は歩き続ける。
見渡す限りの雑踏を。
荒んだ真白なこの世界を。
その最果てで、自らの火が消えるまで。
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