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達也と仲良くなって、彼の友達とも仲良くなって
小学校に行くのも毎日が楽しくなっていった。
その日、達也が家で遊ぼうと誘ってきた。
いつもは校庭か近くの公園で遊ぶか、
他の子の家でゲームするかだったから
彼の家に行くのは初めてだった。
しかもその日呼ばれたのは僕一人だった。
普段達也は大勢の友達と遊ぶから
僕だけが呼ばれたことを少し疑問に思ったけど
僕は彼のことを友達として好きだったし
こっちに来て初めての心から信頼できる仲間だと思っていたから
素直に嬉しかった。
「俺ん家さぁ、弟いるんだ」
「うん」
「でさぁ、隣ん家の子もいると思うから
きっと煩いと思うんだ」
「うん、いいよ
僕、下だから弟とか楽しみ」
「よかった
悪さしてきたら俺が叱ってやるから」
戦隊ヒーローのポーズをする達也。
親戚の中でも一番下の僕は下がいるという立場に憧れがあった。
もし僕に弟がいたら、妹がいたら
どんだけ遊んであげるだろう
どれだけ可愛がってあげるだろう。
だから、いつも下の兄弟がいる子を羨ましく思った。
そしてその日、僕は達也に嫉妬した。
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