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「お邪魔します」 達也の家は僕の家より駅に近く 僕の家の庭と同じぐらい広かった。 「入って、入って  やっぱり莉奈いるよ  隣の子なんだけどね、  莉奈のお母さん働いてるからよく家にいるんだよ  俺のお母さん、いつも家にいるからさ  お母さ~ん、ただいまー。友達連れてきたよー」 奥の方からお帰りなさい、と声がする。 そのあとから小さな子のお帰りなさーい、が重なって聞こえてきた。 玄関の敲きを見れば僕たちより小さな男の子の靴と 赤くリボンのついた可愛らしい小さな女の子の靴が ちょこんと仲良く並んで置いてあった。 ……「莉奈ちゃん」て言うんだ。どんな子なんだろう 弟は達也の弟なんだからきっと達也に似ているんだろうけど 女の子は会うのが初めての知らない子だから どんな子なのか、ちょっとワクワクしていた。 達也の後をついていくとそこはリビングで おばさんと達也に似ているけど達也より生意気そうな男の子と 自分の身体の半分くらいあるんじゃないかと思うくらいの 大きなくまのぬいぐるみを大事そうに一生懸命抱えた 色白で茶色い髪と大きな目のお人形みたいな女の子がいた。 ……可愛い 僕はその子から目が離せなくなってじっと見つめてるとおばさんが 「こんにちは、いらっしゃい」 「こんにちは、お邪魔します」 「ちょうど今帰ってきたとこよ  手を洗ってきて一緒におやつ食べましょ」 手を洗って戻るとテーブルの上におやつが用意されていて 皆で一緒に食べた。 莉奈ちゃんは小さな口でゆっくりとおやつを食べていて 隣のガツガツと食べる達也の弟・響也とは大違い。 食べてる時も可愛い。 僕はおやつを食べながら達也たちの話を半分ぐらいしか聞かないで 莉奈ちゃんのその様子を皆に気づかれないように見てた。
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