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「そろそろ、その顔何とかした方がいいぞ」
「ん?」
莉奈の体育祭を見るために
聡兄と達也と一緒に向かいながら
莉奈は活躍するかなぁ、足は速いからなぁ
見るのなんて小学校以来だしなぁ
まぁ、何してても可愛いんだけど、
何て考えていると
「キモいぞ
でれー、としちゃって
どうせ莉奈のことでも考えてんだろ
何だか最近聡兄に似てきたぞ、お前」
「えっ!?、そ、それは…」
「何だよ!俺に似たら不満か!
ってか、莉奈のこと思ってデレるのは当たり前のことだからな
俺の可愛い、かわいー小さな妹なんだから」
達也だって可愛いと思うだろ?
なんて、冷めた達也にも絡みだす。
「僕、不満だなんて言ってないですよ!」
「どうだか…
まぁ、莉奈のことを考えてるのは俺だけどな」
「僕だって!
僕にとって莉奈は一番大切な女の子です!
この想いは聡兄には負けません!」
「当たり前だ!
莉奈を一番に考えなきゃ許さねーし!
あんま煩いなら今日は無しな」
俺を怒らせたら分かってるだろうな、と言うかのように
ギロッ、と睨む聡兄。
その脅しで態度を一変するしかない。
折角のチャンスを逃すものか。
「なっ、行きますよ
今日を逃したら莉奈の体育祭、見れないじゃないですか
絶対に行きますよ!」
アメリカに行く前に
どんな莉奈でも目に焼き付けておきたいからね。
「はいはい、二人とも落ち着いて
公道でみっともない
他の人たちにこんなの見られて恥かくのは莉奈なんですから
そこんとこよく考えて」
「「……」」
いい加減にしてよ、と呆れる達也に言われ
お互い何も言えなくなる。
「全く、一緒にいるこっちが恥ずかしいよ
カッコイイだ、王子様だ、なんて
皆、現実を知らないから…
ほら、始まっちゃいますよ
聡兄は写真撮るんでしょ
いい所盗られちゃいますよ」
「お、そうだ」
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